経営者の条件概要
「経営者の条件」概要
まえがき
- マネジメントとは、模範となることによって行うものである。自らの仕事で業績をあげられない者は、悪しき手本となるだけである。
- 成果をあげないならば、いかに多くの知力と知識を使い、いかに多くの時間を使おうとも業績とはならない。
序章:成果をあげるには
- 成果をあげるための8つの習慣
- なされるべきことを考える。
- 組織のことを考える。
- アクションプランをつくる。
- 意思決定を行う。
- コミュニケーションを行う。
- 機会に焦点を合わせる。
- 会議の生産性をあげる。
- 「私は」でなく「われわれは」を考える。
第1章:成果をあげる能力は修得できる。
- 知力や想像力や知識は、あくまで基礎的な資質である。それらの資質を結果に結びつけるには、成果をあげるための能力が必要である。知力や想像力や知識は、限界を設定するだけである
- いかに膨大な知識があっても、行動と姿勢に反映されなければ意味がない。そのためには、知識労働者は、成果をほかの人間に供給することが必要となる。
- 知識労働者の生産性とは、なすべきことをなす能力のことである。成果をあげることである。
- トップであろうと新人であろうと、エグゼクティブなる者はすべて成果をあげなければならない。
- 自らが成果をあげるよう意識して努力しないかぎり、まわりを取り巻く4つの現実がエグゼクティブを無価値にする。
- 組織の中に成果は存在しない。すべての成果は外にある。
- 組織は、一定の業績を得るために投入した努力が少ないほどよい仕事をしたことになる。
- 外の世界における真に重要なことは趨勢ではない。趨勢の変化である。この外の変化が組織とその努力の成功と失敗を決定する。
- 仕事ぶりの向上は、人間の能力の飛躍ではなく、仕事の方法の改善によって図らなければならない。
- 資源の調達を増やすことができなければ、資源の産出を増やさなければならない。
- 成果をあげることは一つの習慣である。実践的な能力の集積である。実践的な能力は修得することができる。それは単純である。あきれるほどに単純である。七歳の子供でも理解できる。しかし身につけるには努力を要する。
- 成果をあげるために身につけておくべき5つの習慣的な能力
- 何に自分の時間がとられているかを知る。
- 外の世界に対する貢献に焦点を合わせる。
- 強みを基盤にする。
- 優れた仕事が際立った成果をあげる領域に力を集中する。
- 成果をあげるよう意思決定を行う。
第2章:汝の時間を知れ
- あらゆるプロセスにおいて、成果の限界を規定するものは最も欠乏した資源である。それが時間である。
第3章:どのような貢献ができるか
- あらゆる組織が3つの領域における成果を必要とする。すなわち、直接の成果、価値への取り組み、人材の育成である。
- 対人関係の能力をもつことによってよい人間関係がもてるわけではない。自らの仕事や他との関係において、貢献に焦点を合わせることによってよい人間関係がもてる。そうして人間関係が生産的となる。生産的であることが、よい人間関係の唯一の定義である。
- われわれは貢献に焦点を合わせることによって、コミュニケーション、チームワーク、自己開発、人材育成という、成果をあげるうえで必要な4つの基本的な能力を身につけることができる。
第4章:人の強みを生かす
- 結果を生むには利用できるかぎりの強み、すなわち同僚の強み、上司の強み、自らの強みを動員しなければならない。強みこそが機会である。強みを生かすことは組織に特有の機能である。
第5章:最も重要なことに集中せよ
- 成果をあげるための秘訣を一つだけ挙げるならば、それは集中である。
- 優先順位の決定について最も重要なことは分析ではなく勇気である。第一に、過去ではなく未来を選ぶ。第二に、問題ではなく機会に焦点を合わせる。第三に、横並びではなく独自性をもつ。第四に、無難で容易なものではなく変革をもたらすものを選ぶ。
第6章:意思決定とは何か
- 意思決定のための5つのステップ
- 問題の種類を知る。
- 問題への答えが満たすべき必要条件を明確にする。
- 妥協を考慮する前に、正しい答えすなわち必要条件を満足させる答えを検討する。
- 決定に基づく行動を決定そのものの中に組み込む。
- 決定の適切さを検証するためにフィードバックを行う。
第7章:成果をあげる意思決定とは
- 正しい決定は、共通の理解と、対立する意見、競合する選択肢をめぐる検討から生まれる。
終章:成果をあげる能力を修得せよ
- 成果をあげることは学ぶことはできるが教わることはできない。つまるところ成果をあげることは教科ではなく修練である。